日 時: 2021年2月6日(土)14:00〜18:10
会 場: Zoomによるオンライン開催
プログラム内容
1. 合同セッション
14:00- 開会の辞松坂 ヒロシ氏 (KLA会長)
14:15-15:15 講演 (含・質疑応答15分)
山村 公恵 (KLA会員)青山学院大学 アカデミックライティングセンター 助手タイトル:Non-anthropocentric Orientation in Socially Oriented Applied Linguistics *発表言語は英語
15:25-16:10 研究発表1(含・質疑応答15分)小林 潤子 (TALK 会員) 駒澤大学 非常勤講師タイトル:CAN-DOリストを使った英語教育と学習者の意識について―大学生を対象とした研究*発表言語は日本語
16:20-17:05研究発表2(含・質疑応答15分)田中 広宣(KLA会員)東京大学大学院 総合文化研究科 修士課程タイトル:日本人英語学習者の名詞句構造把握能力の発達プロセス
*発表言語は日本語
17:05- 閉会の辞 トム ガリー氏 (KLA会長)
※合同セッションの詳細については、こちらをご確認ください。
2. 懇親会@Zoom
17:10-18:10
KLA・TALK 第 19 回合同セッション 2021 年 2 月 6 日(土)14:00 – @Zoom
KLA・TALK第19回合同セッションでは、KLAから山村さん、田中さん、TALKから小林潤子さんが、発表されました。
山村 公恵(KLA会員) 青山学院大学 アカデミックライティングセンター 助手 Non-anthropocentric Orientation in Socially Oriented Applied Linguistics
山村さんの講演では、言語活動に対する新しい知見が述べられました。言語活動を考える際、その言語活動だけを取り出し研究してきた従来の言語学 ・応用言語学に対して、その言語活動が行われる状況との関連を考慮したものでした。その言語活動が行われる際、「モノ」「空間」「人」が どのように関連しているか、その関わりによってどのような言語活動が生まれるか、に着目されていました。 KLAの会長であるトム・ガリー先生も、「言語習得を考える上での新しい領域に関する発表であった」と述べられ、今後の発展がとても楽しみな講演でした。
小林 潤子 (TALK 会員) 駒澤大学 非常勤講師 CAN-DO リストを使った英語教育と学習者の意識について――大学生を対象とした研究
小林さんは、大学生を対象にCAN-DOリストを使用した研究結果を発表されました。これまで、高校生を対象にCAN-DOリストが動機付けに与える影響や、学生がどのような意識をCAN-DOリストに対して抱いているかを研究されておられます。本研究では、大学生を対象に4月から翌年1月までの期間にわたり、CAN-DOリストの種類の違いが学生の自己評価や動機付けに与える影響を調査し、さらにはTOEIC簡易版でのスコアとの比較もされていました。CAN-DOリストが奨励されている日本英語教育現場において、CAN-DOリストと英語教育がどのように関連・発展していくか、とても楽しみになる発表でした。
田中広宣(KLA 会員) 東京大学大学院 総合文化研究科 修士課程 日本人英語学習者の名詞句構造把握能力の発達プロセス
田中さんは、1月に審査を終えたばかりの修士論文から、研究の一部を発表してくださいました。発表について特筆すべきは、英語学習者が持つ名詞句把握能力の発達プロセスを4段階に分けて提唱した点であると思われます。検証の際には、典型的なエラーパターンも分析されており、なぜその4段階が正しいと思われるか、客観的・理論的に述べられていました。さらに田中さんは、修士論文において教科書分析を行っており、実験参加者が英語を学習上でどの程度ターゲットとなる名詞句に触れてきたか、インプット頻度に対するコメントもありました。機会があれば、田中さんの修士論文についてじっくりとお話を伺ってみたいと思う発表でした。
コロナ禍にも関わらず、KLA・TALK 第 19 回合同セッションを無事に開催、終えることができたことを、とても嬉しく思います。KLA会長のトム・ガリー先生、TALK会長の松坂ヒロシ先生、そしてご尽力いただいた関係者の皆様をはじめ、KLA・TALK会員の皆様へ感謝申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
文責:肥田和樹