会長:松坂 ヒロシ

早稲田大学 名誉教授

TALKの意味

 教師は研究し続けるべきであり、また、研究者は教育から離れずにいるべきである——われわれの学会TALKを作って下さった故田辺洋二・早稲田大学教授のことばです。当学会を支える考え方は、まさにこれです。英語教師にとっては理論面強化の場として、また、英語教育・応用言語学の研究者にとっては、教育現場との接点として、TALKはこれまで貢献してきました。おかげさまで、2019年には、創立25周年を祝うことができました。

 会の名前は、Tanabe Applied Linguistics Kenkyukai の頭文字で、Tanabeは創立者田辺先生の苗字です。田辺先生は、大学英語教育学会(JACET)会長を務められるなど、日本の英語教育界を牽引しておられました。先生は、早稲田の名誉教授となられ、東京国際大学の新学部の学部長として活躍されていた2004年、残念なことに急逝されました。

 私は、TALKという名前に深い意味を感じます。まず、ことばを扱う、というわれわれの活動の象徴として、これ以上の名前はありません。そして——これが大事だと思うのですが——教師として、あるいは研究者として、悩みが出来たとき、何でも気軽に話せる仲間が見つけられるような、あたたかいグループであり続けたい、という強い意志が、この名前にこめられているように思います。英語教育分野で経験豊富な人はもとより、入門段階にある人にも、あるいはこれから入門したいという人にも、居心地のよい会にしたい、とのわれわれの願いがこの名前にあらわれているように思うのです。

 われわれの重要な活動として、月例の研究会、および毎年夏の合宿形式の研究会があります。外部の学会との合同会も開いてきました。こうした会合では、新しい研究から教育現場での諸問題まで、多様なトピックを取り上げています。査読つき論文集Dialogueの発行も回を重ねました。理論と実践とを結び付け、日本の英語教育を高めていく志のある者の集団、小さくともチームワークのよい集団、というのがわれわれの理想です。TALKの理念と活動内容に賛同される方ならどなたでもおこし下さい。ご一緒に勉強し、大いにtalkしましょう!

2007年4月吉日